私の恋した誘拐犯【完】

ただ私にとって、それは永遠にも感じる沈黙だった。



「…今はまず出会いがないよ」



返ってきたそんなごく普通の答え。



ホッとしたような



少し残念なような。



「そ、そっか、そうだよね」



「ちーちゃんとしか話してないよ。異性なら」



目を逸らさず私を見る洋くん。



その言葉にどんな意味があるかなんて分からない。



もしかしたら意味なんてないのかもしれない。