私の恋した誘拐犯【完】
「ちぃ!おはよー!」



いつものごとく、莉奈が私の背中をポーンと叩いた。



一瞬前のめりになりながらも、莉奈に笑顔を向ける。



「莉奈おはよ〜」



「今日も眠そうだね。…っていうか元気ないって感じだけど」



さすが感の鋭い莉奈。



ちょっとした変化も、敏感に感じ取るらしい。



「ちょっと考え事をね〜」



「ちぃも考え事なんてあるのね」



「ひっどい」



聞き捨てならない莉奈の言葉に、眉根を寄せる。
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