私の恋した誘拐犯【完】
子供だと笑われても仕方ない。



洋くんにとって私は、きっとずっと子供なのだから。



「ちーちゃん」



洋くんの手が私の頭を優しく撫でる。



この手が近くにあるなら、私はずっと子供でいい。



「ちーちゃんは、あんな話しを聞いた後でも……俺のこと好き?」



柔らかい声が上から降ってきて、私は顔を上げて笑った。



「当たり前だよ。私これからもずっと洋くんのこと好きだと思う」



「そっか」



私の言う「好き」が洋くんにとってどう聞こえてるのか分からない。
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