私の恋した誘拐犯【完】
突然のことで驚かせるかもしれない。



もしかしたら、どうでもいいよと笑われてしまうかもしれない。



だけど、私の気持ちの問題だった。



「保護者だって今まで言ってきた人のことなんだけどね」



たくちゃんの眉がピクリと動いたのに気づいた。



こんなことを言ったら、引かれてしまうかもしれない。



お父さんに捨てられた可哀想な女の子だと思われるかもしれない。



「やっと話す気になったんだね、ちぃ」



そんな不安を拭い取るように、莉奈は私に微笑んだ。
< 471 / 530 >

この作品をシェア

pagetop