私の恋した誘拐犯【完】
なにも知らないはずなのに



今から私が話そうとしてることも



洋くんのことも。



そんな莉奈を見て、私はただコクンと頷いた。



「洋くんとは、実は赤の他人なの」



みんなただ黙って、私を真剣な目で見てくれる。



「私のパパに、私を引き取るように言われた。…ただの被害者で…」



そうだ、洋くんは被害者だ。



荷物を押し付けられた、1人の被害者だ。
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