私の恋した誘拐犯【完】
見惚れてしまって、ふわふわした思考回路。



気づけば洋くんの後ろに私は立っていて。



洋くんは私に気づかず本を読んでいる。



「…っだーれだ」



洋くんの両目を隠し、そう声をかけた。



声がうわずったのは、悪戯が久しぶりだったからだけではない。



触れたいと思った。



洋くんに、触れたいと。
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