私の恋した誘拐犯【完】
「どうせ1番目だろうって、座席表見ずに座るとかどうかしてるよな」



そう、入学式の私は、今と変わらずバカだった。



苗字が「あ」から始まる人なんて、どうせいないと思って、1番最初の席に座ったのだ。



もちろんその席だった本人は、あれれ?と思うわけで。



『あの、席間違ってますよ』



『へ?』



今でも覚えてる。



たくちゃんの少しイラっとしているような表情。
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