私の恋した誘拐犯【完】
「ちーちゃんに男の友達ができて、なんか寂しい気持ちになったんだよ。これがお父さんの気持ちなのかなって」



「や、やだなぁ洋くん。お父さんだなんて…」



(なにを期待してるのかな)



やっぱり、莉奈の言っていた男の部分なんて、洋くんにはない。



お兄さんでお父さん、あくまで洋くんは保護者なのだ。



肩を落とすことはない



分かってたことなんだから。



「きょ、今日のご飯は?」



「野菜炒めだよ。もうできてるし、早く食べよう」



保護者の洋くんに連れられ、私は今日も、幸せを噛みしめる。
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