私の恋した誘拐犯【完】
「ちょちょ、莉奈やだ…!は、恥ずかしいよ…っ」



「綾瀬!見てよこの完成度!」



莉奈はそう声を荒げながら、たくちゃんに私を差し出した。



「まぁ所詮は千織だ、け…ど……?」



作業をしながらそう言ったたくちゃんは、私を見るなり動きを止める。



無言は1番やめてほしい。



「た、たくちゃん、なんか言ってよ恥ずかしい…」



周りもザワザワし始め、恥ずかしいことこの上ない。



「ち、千織、おまえ明日着ないほうがいいわ…」



目を覆ったたくちゃんが、第一声にそんなことを言う。
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