あなただけの騎士

「春樹〜。この服買ってもいい??」

「あぁ」


俺は座っていたイスから立ち上がってレジへ向かった。



が…



「あれっ?春樹?」



なんと…

桃華の声が…!


「え、桃華?」


幻聴かと思ったが、本人らしい。

桃華の私服は可愛いかった。
もう写真を撮りたいくらい可愛かった。
あ、これ俺のキャラ崩壊する



「春樹のお友達?」


姉ちゃんはいつの間にか隣に立っていて、身長差があるから俺を見上げる形で聞いてきた。どうしよう可愛い


「あぁ」



桃華がいる前でそんなだらしない顔をしたくなくて、ポーカーフェイスを作る。


「あっ、すみません!春樹の隣の席の夏目桃華です!」


・・
桃華という言葉にピンと来たのか…


「あっ!もしかして春樹のすき、」
「星桜?会計してこいな?ん?ほら、財布」


姉ちゃんはニヤニヤしてレジまで行った。
うざい…!すごくウザイ…!
けどそんな顔も可愛い


「はーい」


「星桜さん…綺麗だね。彼女?」


桃華が不安そうに聞いてきた。目には困惑が映し出されている。



「いや、違う。あれは、」
「春樹お待たせ〜!」



…KY?KYなのか?



「…ごめん、後でLINEするから。彼女ではないから、な」


「わかった…」



「じゃーね!桃華ちゃん!」

「あ、はい!」



俺は油断をしていた。
まさか…学校外で桃華と話すことがこんなにも桃華を危険に及ぼすなんて…


思ってもいなかった
< 16 / 37 >

この作品をシェア

pagetop