あなただけの騎士
なんだよ。俺はさっさと帰ってPrinzessinを潰さねぇといけねえんだよ。


そう思って足を止めず、進もうとした。


「お前…いや、騎士(ナイト)。なんであんな奴の情報集めてるんだよ。お前は1人のためにしか動かないんだろ?」

…裏ではそんなことも言われてたな。
まぁ、ほんとの事だけど。いや、少し語弊がある。

俺は大切なやつのためにしか動かねぇ。
主に桃華の為だけどな。

「…大切なやつを守りたいと思うのは
当然のことじゃねぇのかよ」

なんて、本人には言えないことを言ってみる。

「…会いてえなぁ」


柄にもなく、騎士団のみんなに会いたくなり、今度こそその場を立ち去った。


「っ、やっぱり」


だから、男がなにかを確信したように俺の後ろ姿を眺めていたことに気付かなかった。





そして、これから起こることにも。

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