忘却街の秘密の洋館
ムカつく親友
*
夢。
任務前に必ずそれを見てしまう。失敗すれば、同じことが繰り返される。その緊張が夢となるのかもしれない。
オレが母を失った日のこと。
もう12年。そしてオレが光魔法を受け継いだのも、その年だった。
「ゴーストなんて全ていなくなればいい」
父は霊媒師として、母は憑代として、ゴーストを退治するというよりは導いて成仏させていた。
2人で1組の霊媒師。街では噂になるほどの有名人。それがちょっとしたミスであんなことに……。
オレは頭を振ってベッドから降りた。
感情的になっては駄目だ。冷静……いや、冷酷でなければ。