忘却街の秘密の洋館
ゴーストはこの世に留まりたくて惑わす。だからこそ、感情は捨てなければならない。
部屋の掛け時計を見れば、約束までに3時間はある。
あんな夢を見れば朝飯を食べる気が起きない。しかし任務がある。食べないわけにはいかないか。
「相棒にも会わなきゃな」
依頼を受けた街の宿。そこそこ豪華ではあるが飯はまずい。依頼人が食事をつけてくれたが、はっきり言って迷惑だ。
宿泊客のほとんどは隣の食事処で済ますのが当たり前になっていた。
そこにはオレの親友が働いている。会うのは1年ぶりかもしれないな。
依頼人は彼の客。
詳しい話を聞いていないし、まずは親友から聞くとしよう。
呪われた秘密の洋館の話を。