その男、カドクラ ケンイチ
ーーーーー校長室
堂々秀高校第85代校長 アザクラは、一人金魚すくいを楽しんでいた。
「保護者からの問合せはありましたか?」
アザクラは前に立つ教頭に質問する。
「ありません。
生徒の間で回った噂だけのようです。」
「6組の生徒達に動揺があったらいけませんね。」
「カドクラ君が直接説明しました。
このまま沈静化してくれればいいのですが。」
アザクラは金魚すくいをやめて教頭に向き直る。
「噂というのはすぐに広まりますが、真実はそう簡単には広まらないものですからな。」
「はい。」
「しばらく様子見にしましょうか。」