その男、カドクラ ケンイチ
カドクラの風邪はなかなか長引いていた。
「ごめん・・ちょっと・・風邪で喉がやられて・・声が」
朝のHRをかすれた声で行ったカドクラは保健室へ向かう。
「ぉはょぅござぃます。」
「おはようございます。」
保健室には今日もモモイがいる。
「モモィ先生、トローチとかぁりますか?」
「カドクラ先生声かすれてるじゃないですか!」
モモイは引き出しからトローチを出す。
「どうぞ。」
「ぁりがとぅござぃます。」
カドクラは急いで授業へ向かう。
熱はだいぶ下がったが、喉の痛みと咳はまだ残っていた。