その男、カドクラ ケンイチ
「おーいカドクラ。」
職員室に戻ったカドクラをエンドーが呼ぶ。
「何ですか?」
「面談室行ってこい。」
「何かあったんですか?」
「ムトウさんがお前んとこのノノムラに何か説教たれとるぞ。」
「えぇ・・ハックション!」
カドクラは急いで面談室へ向かう。
ガラガラ
「!」
カドクラは勢いよく面談室の扉を開ける。
中には確かにムトウと6組の生徒 ノノムラ マキがいた。
「もういいですか行っても。」
「ちゃんと反省しているのか君は!」
ムトウは顔が険しい。
「あの、何があったんですか?」
カドクラはムトウに尋ねる。
「さっきの数学の授業中に携帯をいじっていた。
私を馬鹿にしてるのか?」
「…」
「すみませんムトウ先生。
僕からも言っておきますので。」
「まったく。
君は普段どんな指導をしているんだ。」
ムトウは怒り心頭のまま面談室を出る。