その男、カドクラ ケンイチ
お昼休みになると賑わう売店。
利用するのはほとんど生徒だが、カドクラはいつも通り売店で昼飯を調達しに来た。
「あれ?オオシマにアカイ。珍しいね。」
カドクラは普段売店で見かけることがない2人と会う。
「今日はカスタードプリンの日だから。」
オオシマは右手のプリンをカドクラに見せる。
「あ、そういや今日だったね。」
月に1度、売店で特製カスタードプリンが売られる。
かなりおいしいくて人気が高いが数は多くないのですぐに売り切れてしまう。
「そんなにおいしいんだったら俺も買ってみようかな。」
カドクラは残り少ないプリンをチラ見する。
「先生。あれあれ。」
アカイが笑いながら指さす。
『数に限りがありますので、生徒限定でお願いします。』
と書かれた貼り紙があった。
「りょうかいでーす。」
カドクラは諦めていつものジャムパンとマミーを購入する。
「しょうがないなぁ。
はい先生。あーん。」
オオシマは自分が食べていたプリンを一口カドクラにあげる。
「んっ・・・あぁ普通においしい!
ありがとな。」