その男、カドクラ ケンイチ
第20章 迫り来る危機
第20章【迫りくる危機】
「おはようございます。
席着いてくださーい。」
2年6組の教室では朝のHRが行われようとしていた。
「え~っと。
まず自販機が昨日から壊れたらしいから、もし水筒のお茶とかなくなったら先生に言ってください。
職員室から持ってきます。
あと、保健室の窓ガラスが昨夜のうちに誰かに割られました。」
生徒はやはりざわつく。
「一応掃除しておいたけど、保健室利用する時は足下気をつけてください。」
最後に少し間を置いてからカドクラは話す。
「誰がやったか分からないけどちょっとこれはやりすぎだと思う。
何より、生徒を疑わなきゃいけないことが悲しい。
じゃあ朝のHR終わります。」
カドクラは教室を出て職員室に戻る。