その男、カドクラ ケンイチ






2年6組タカハシ コウタは教室を出た後、自転車置き場へ向かう。



部活はまだ終わっていない中途半端な時間なので人は少ない。





「タカハシ君…」



下駄箱でタカハシは女子生徒と遭遇する。


ノノムラ マキだった。




「あの…」


「お前も中途半端な奴だったな。」


「カドクラ先生のこと、誤解してた。
すごくいい人だった。」







「ごめーんマキ…あれ?…コウタ。」



オオシマも下駄箱に来た。




「所詮お前らと…俺は違う。」



タカハシは靴をはき、下駄箱を出た。









「マキ、大丈夫?」


「うん。ごめん。」


「コウタもきっと分かってくれるよ。」


「でも最近タカハシ君孤立してる気がする。
ちょっと前私もそうだった。」


「でも今は違うでしょ。」


「うん…」


「大丈夫だよ。うちらは友達だもん。
コウタだって。」


「ありがとうユリコ。」







< 136 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop