その男、カドクラ ケンイチ
2年6組タカハシ コウタは教室を出た後、自転車置き場へ向かう。
部活はまだ終わっていない中途半端な時間なので人は少ない。
「タカハシ君…」
下駄箱でタカハシは女子生徒と遭遇する。
ノノムラ マキだった。
「あの…」
「お前も中途半端な奴だったな。」
「カドクラ先生のこと、誤解してた。
すごくいい人だった。」
「ごめーんマキ…あれ?…コウタ。」
オオシマも下駄箱に来た。
「所詮お前らと…俺は違う。」
タカハシは靴をはき、下駄箱を出た。
「マキ、大丈夫?」
「うん。ごめん。」
「コウタもきっと分かってくれるよ。」
「でも最近タカハシ君孤立してる気がする。
ちょっと前私もそうだった。」
「でも今は違うでしょ。」
「うん…」
「大丈夫だよ。うちらは友達だもん。
コウタだって。」
「ありがとうユリコ。」