その男、カドクラ ケンイチ
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「あ~~しまった。
シャンプー買ってないや。」
時刻は23時過ぎ。
カドクラは帰宅してシャワーを浴びていた。
頭を洗おうとした時、シャンプーを切らしていたことを思い出す。
「明日手に書いておかないと。」
プルルル プルルル
プルルル プルルル
「ん?」
携帯電話が鳴っていることに気付いた。
ジャー キュッキュッ
カドクラはシャワーを止め、急いで浴室から出る。
プルルル プルルル
「はいはい。」
バスタオルで軽く体をふきリビングに戻る。
プルル…
間に合わず電話は切れてしまう。
カドクラが携帯を開くと
不在着信 『エンドー』と出ていた。
すぐに折り返す。
プル…
「もしもし。」
すぐにエンドーが出た。
「すみません、シャワー浴びてました。」
「今お前ん家までかっ飛ばしとるから支度しとけ!」
エンドーは激しい、というより焦った口調で喋る。
「何かあったんですか?」
「教頭先生が・・」
「・・・え?・・・・」
カドクラは携帯を耳にあてたまま呆然とする。