その男、カドクラ ケンイチ
アザクラの言う通り、
堂々秀高校は何事もなく朝を迎え、生徒達は普段通り登校する。
朝の職員会議。
いつもは教頭が仕切るが今日は2年生の学年主任 ムトウが務める。
次期教頭候補と噂されるムトウからは、この事態にむしろ喜びさえ感じられた。
「先生、クマできてる。」
2年6組で2限目を終え、黒板を消していたカドクラにオオシマが話しかける。
「ちょっと寝れてなくて・・。」
「教頭先生のこと、朝ニュースで見た。」
「へ~。オオシマってニュース見るんだ。
意外。」
「あ~バカにした!」
オオシマはカドクラの肩を軽く叩く。
「冗談だよ。心配してくれてありがとな。」
「うん。」