その男、カドクラ ケンイチ





カドクラが職員室に戻ると、教師が何やら集まっていた。



「何かあったんですか?」


カドクラが尋ねる。


「アザクラ校長から連絡があって、教頭先生の意識が無事回復したそうです。」


「本当ですか!?よかった・・。」






「何だ何だこの騒ぎは。」



エンドーも授業を終え職員室に戻ってきた。



「教頭先生の意識が戻ったそうです。」


「俺がてるてる坊主作っといたからだな。」



意味はよく分からないがエンドーも安堵を表現した。




「さっそくお見舞い行かなかんな。」


「はい。」


















ーーーーーー病院



「では何も覚えてないんですね?」


「はい。学校を出てバスに乗ったところまでは覚えているんですが、気がついたらここのベッドです。」



「そうですか…。
ささいなことでもいいので、何か思い出したことがありましたら署のほうへお電話をお願いします。」


「分かりました。」


「では失礼。」


ガチャリ




「・・・」





警察が部屋を出ていった後、教頭はベッドに横たわりゆっくり目を閉じた。





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