その男、カドクラ ケンイチ
「かわいい~」
「手ちいさくない」
「まじやばくない」
「かわいい~」
男女問わず、目の前にいる赤ちゃんを見て生徒達は声を上げる。
「みんな来てくれてありがとう。」
堂々秀高校の近くにある病院。
カドクラ率いる2年6組の生徒が無事に女の子を出産したナガノの見舞いにやって来た。
「ナガノ先生、おめでとうございます。」
カドクラも笑顔で赤ちゃんに触れる。
「ありがとうねカドクラ君。」
「約束したじゃないですか。
産まれたら全員連れてお見舞いに来るって。」
ナガノに抱かれた赤ちゃんはスヤスヤと眠っている。
「タカハシ。」
カドクラは後ろのほうにいたタカハシを呼ぶ。
呼ばれたタカハシは恐る恐る前に出る。