その男、カドクラ ケンイチ
オオシマの家をあとにしたカドクラとエンドーは再び車の中にいた。
「親も知らない感じでしたね。」
カドクラは何とかしてオオシマの『彼氏』と会う方法を考えていた。
「・・・」
先ほどまで一言も発さず運転していたエンドーはふいに喫茶店の駐車場に入る。
「カドクラよぉ。お前夜も暇だろ?」
「はい。」
「今度は俺に付き合え。」
「いいですよ。」
「それから、これから俺が言うことを信じるかはお前次第だからな。」
そう言うとエンドーは車から降りた。