その男、カドクラ ケンイチ
「あの、エンドー先生。」
「んん?」
「ありがとうございました。
エンドー先生がいなかったら…」
「カドクラは熱いな。」
「すみません。」
「いや褒めてるの。」
エンドーは片手運転で煙草に火をつける。
「あとはあの家族次第だわな。」
「はい。」
「でもたぶん大丈夫だわ。
お父さん帰り際にちょっと目赤くして『あとは私が』って言ってたから。」
「そうですね。」
「てか腹減ったな。牛丼食おうぜ。」
エンドーは牛丼屋へと車を走らせた。
第7章 完