その男、カドクラ ケンイチ
2年生が自転車を停めている駐輪場には6組の生徒が一部残っていた。
「オオシマ、
なんか最近カドクラと仲良いじゃんか」
駐輪場にやって来たオオシマに男子生徒が声をかける。
生徒の名はダテ ゆーへい。
見た目からごつさと腕っぷしの強さが分かる。
「ショウコが今日も休んだからテスト範囲のプリントもらっただけだよ。
ゆーへいもショウコの家来る?」
「な、何で俺がアカイん家に行かないといかんのだ。」
「冗談だよっ。じゃあね。」
オオシマは自転車に乗ってその場を後にする。
「なんかナガノの時と違って大人しいなオオシマ。」
ダテは隣にいたもう1人の6組生徒 タカハシに話掛ける。
「…」
「タカハシ、何か言えよ。俺が寂しいだろ。」
「眠いな。」