その男、カドクラ ケンイチ
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職員室
23時近くにも関わらず、教頭とエンドーはカドクラの話に耳を傾けた。
「そのあと警察に通報して、さっきまで警察署で聴取を受けてました。」
「アカイさんとダテ君は…」
教頭はとにかく心配そうに話を聞く。
「アカイは親御さんに迎えに来てもらいました。
ダテはいいって帰っちゃいましたけど。
アカイの怪我は転んだ時に擦りむいただけなので軽傷です。」
「しかし、まさかあそこのマグドナルドのバイトがストーカーの犯人だったとは。」
教頭は左手を額に押さえる。
「学校終わりにうちの生徒はあそこのマグドをよく利用する。
その中でたまたま見かけた女子高生への恋心が、歪んだ方向に向かったんでしょうな。」
生意気にエンドーは教頭に対して知ったような口を聞いた。