その男、カドクラ ケンイチ
「エンドー先生。あの・・ありがとうございます。」
カドクラは深々と頭を下げる。
「俺は勝手に銀田一少年の真似事しただけだから。
お前の行動力には毎回参るな。」
エンドーは煙草をつけようと、
「エンドー先生!職員室ですよ。」
「あ、すんません。」
教頭に怒られる。
「しかし、写真が撮られた場所がマグドナルドの裏口と分かっただけで、なぜその若者が犯人と分かったのですか?」
教頭はエンドーに煙草をしまわせた後に尋ねる。
「ん~勘ですよ。
でもまぁ強いて言えば、
あそこのマグドでカドクラにアカイの盗撮写真を初めて見せてもらったんですけど、
たまたまその時に彼がポテトを持ってきたんですよ。
まぁ塩が足んなかったから僕が突き返したポテトなんすけど。
そん時にな~んか彼の視線が気になったんすよ。
ポテトぐらいでそんな怒んなよって思ったんですけど。」
カドクラが閃く。
「だから木曜日の今日にしたんですか!?」
「そうよ。あの日あいつ、もうすぐバイト上がるって言ってただろ。
毎週木曜日あの時間に終わるとしたらちょうどアカイの下校時間と被る。
ストーカーするには丁度いいだろ。」
ようやくカドクラも今日作戦を決行した理由を理解する。