その男、カドクラ ケンイチ
ガラガラ
カドクラがエンドーに連れられてやって来たのは保健室だった。
「あ、エンドー先生だ!!
カドクラ先生もどうしたんですか?」
中には保健室の先生 モモイがいた。
「モモちゃーん。会いたかったよー。」
カドクラから見て2歳歳下のモモイにエンドーはデレデレする。
スラッとした脚に可愛いルックス。
(確かにこんな保健室の先生だったら男子からも女子からも好かれるな。)
カドクラは妙に納得する。
モモイはオオシマの1件の時に、煙草の痕を教えてくれたカドクラにとって恩人だった。
「エンドー先生また煙草吸ってきたんですか?
体に悪いですよ。」
「モモちゃんみたいな可愛い彼女が出来たらやめるって。」
「そうやってすぐ“可愛い”なんて言われても嬉しくないですからね。」
「おいおい。俺はモモちゃん以外の女性に可愛いなんて言ったことないよ。」
「エンドー先生。オオシマのお母さんにも言ってたじゃないですか。」
カドクラが横槍を入れる。
「それで、2人揃ってどうしたんですか?」
モモイは2人に尋ねる。
「この自意識過剰男、カドクラがなんか生徒の痛い視線を感じたらしいから、良からぬ噂されてるんじゃないかって心配しとるんだよ。」
「いや、何か気のせいな気もしてきましたけど。」
「そうなんですか。
カドクラ先生の話題は聞かないですよ。」
保健室には昼休みを中心によく生徒達が遊びに来る。
女子グループがお弁当を食べたりもしている。
その為、モモイは一番素の生徒の近くにいた。
「あ、エンドー先生の話はしてましたよ!」
モモイは何かを思い出す。
「おれ!?」
「はい。抱かれたくない教師・・」
「No!!その話題はもういいよ~。」
エンドーは話を止めさせる。