その男、カドクラ ケンイチ
まだ時間が早い為、2年6組の教室は誰も来ていない。
カドクラとオオシマは教室に入る。
「これ見て。」
オオシマは携帯を取り出しカドクラに見せる。
画面には、【拡散希望!】
とタイトルが書かれたメールが写っていた。
「昨夜うちのとこに回ってきた。」
「・・・」
「やばいよ先生。みんなに広まってる。
ていうか書かれてることってホントなの!?」
「・・・そうか。」
本文を読み終えたカドクラは携帯を返す。
「オオシマありがとな。」
カドクラは職員室に戻ろうとする。
「ちょっと先生。ちゃんと話してよ!」
「大丈夫。ちゃんとみんなに話すよ。
だからそんな哀しそうな顔すんな。」
カドクラは職員室に戻る。