その男、カドクラ ケンイチ









昼休み



職員室では学年主任 ムトウがエンドーに噛みついていた。



「何でわざわざ生徒の不安を煽るようなことを言った?」


「いや、カドクラはどこ行ったか聞かれたから答えただけですけど。」



ムトウはエンドーが6組の朝のHRで、カドクラが事情聴取を受けていることを生徒にバラしたことを気にしていた。




「そういう事を火に油をそそぐって言うんですよ。」


「もう生徒の間ではとっくに炎上状態ですよ。」


「君ね・・」


「別に隠す必要はないでしょムトウさん。
カドクラから全部聞いたんすよね?」


「ああ。」


「それにしてもムトウさん、HRの事といいカドクラのメールの事といい情報早いですね。」


エンドーはムトウに感心する。



「あれだけ生徒が騒いでいたら嫌でも耳に入ってくる。
あぁ~何でこうなるかなぁ~。」



ムトウは頭を抱えながら職員室を出る。




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