初恋クローバー 〜蒼空との約束〜
第1章 初恋の想い出
優しいクローバー
ちっちゃい頃の話。
初恋の話。
優しくてフワフワした話。
家の近くの
クローバーがいっぱい咲いたところでの話。
「陽菜(ひな)、おれね、とおくにひっこすんだ」
だいすきな蒼真(そうま)。
「え?なんで?はなればなれになっちゃうの?」
陽菜がないてたらいっつもたすけてくれた蒼真。
「うん…。」
ずっとずうっといっしょにいた蒼真。
「そぉまあ…うそつき…うそうかないでよ…!」
ほら陽菜がないたらいっつもそうやって
蒼真もかなしいかおするの。
「陽菜、おれね、ぜったいかえってくるよ?
陽菜おれがいないとないちゃうでしょ?」
「そうだよお…ないちゃうよ…陽菜、蒼真いないとしんじゃうよ…」
「ぜったいかえってくるから。それまでまってて。」
「そぉま…やだあぁ!」
さびしいよ。かなしいよ。のどのおくがくるしいよ。
そうま。そうま。そうま。
「これっ…おまもりだからっ…」
蒼真。なきそうなのをがんばって、がまんして、
わらってくれた。
「おれがいないあいだ。おれのかわりに陽菜をまもってくれるように。おれ、がんばってさがしたの!」
蒼真がそのときくれたもの。
よつばのクローバー。
「これが、陽菜をぜったいまもってくれる。
だからもってて。おれがもどってくるまで。」
「………………うん…!」
蒼真のだいすきなえがお。
くしゃってしてて、みてるだけで、ふわふわして、しあわせなきもちになるの。
蒼真がわらったから、陽菜もわらえたの。
まってるね。蒼真。
よつばのクローバーといっしょに。
蒼真のことまってるね。