初恋クローバー 〜蒼空との約束〜
第2章 それぞれの想い
キミのため
「ひ、陽菜は…!陽菜はいま、蒼真じゃない人を好きなの。」
「え?」
「陽菜だって、ちっちゃい頃、蒼真のこと大好きだったよ!でも…でも、今は、もっともっと大好きな人ができたの。」
陽菜は焦りながらも頑張って喋った。
蒼真はそれを聞いて全く喋らなくなった。
蒼真…ごめん。でも、わかって欲しい。翔くんのこと、ホントに大好きなの。
「………。」
「蒼真…。陽菜は本当に翔くんが好きなの。」
「陽菜。」
蒼真が陽菜の方を向いた。
すごく悲しい目。
「……ごめん。帰ろうか。」
蒼真はそう言って陽菜の腕を離した。
そして静かに立ち上がり歩いた。
陽菜と蒼真はそこから家に着くまで一言も喋らなかった。