キッチン・シェア〜びっくりするほど気づいてくれない!〜
さおりはびっくりしたが、すぐに顔を輝かせ、興奮した声でまくしたてた。
「うわあ、寒川くん! すごい、こんな偶然ってあるんだ! 小説かなんかみたいだね! ていうか、最近は引越しの挨拶ってしない人も多いっていうのに、偉いね! その手に持ってるのは洗剤? あ、部屋散らかってるから向こうは見ないでね!! ちょっと閉めてくる」
さおりはそう言って1DKの短い廊下を走り、部屋のドアを閉めた。
「いや、あの……」
寒川はさおりに圧倒され、挨拶に持ってきた洗剤を片手に固まる。
「はー、ごめんごめん。あ、そんなところだと蚊に刺されるか! どうぞ、狭いですがこちらにでも。座布団あったかな……」
「いや、いいっす、ここで!」
「あら、そう?」
「ハイ。いやでもびっくりしました。まさか隣が楠木さんとか」
「ね!運命を感じるね!」
寒川は運命、という単語に吹き出した。
「はは。楠木さんやっぱ面白いっすね」
「うわあ、寒川くん! すごい、こんな偶然ってあるんだ! 小説かなんかみたいだね! ていうか、最近は引越しの挨拶ってしない人も多いっていうのに、偉いね! その手に持ってるのは洗剤? あ、部屋散らかってるから向こうは見ないでね!! ちょっと閉めてくる」
さおりはそう言って1DKの短い廊下を走り、部屋のドアを閉めた。
「いや、あの……」
寒川はさおりに圧倒され、挨拶に持ってきた洗剤を片手に固まる。
「はー、ごめんごめん。あ、そんなところだと蚊に刺されるか! どうぞ、狭いですがこちらにでも。座布団あったかな……」
「いや、いいっす、ここで!」
「あら、そう?」
「ハイ。いやでもびっくりしました。まさか隣が楠木さんとか」
「ね!運命を感じるね!」
寒川は運命、という単語に吹き出した。
「はは。楠木さんやっぱ面白いっすね」