【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
「ねぇ?お嬢さん?何処へ行こうとしてるの?そんなに泣きそうな顔をして?」
ごうごうと唸り始めた風の中で、その声はまるで鈴がなるように軽やかで、美しく辺りに響いていった。
イザベルは、ハッとしてそちらの方を振り返る。
そこには、闇に溶け込む事がないくらいキラキラと輝く白い装束を身にまとった男が、いた。
いつの間に…。
イザベラは、その疑問には触れずに、こう切り出す。
「あなたは…?」
「オレ?オレはね…、お嬢さん。コナーって言うんだ。以後お見知りおきを」
彼女の質問に素直にそう応えて、その男は恭しくお辞儀をしてみせた。
イザベルは、ジッとその様子を伺い見つめる。