【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
あとかたもなく消えてしまったルーク。
ルークはどうしてあんな風になってしまったのだろう。


そういえば、彼は守護神がどうのと言っていた。
それを思い出すと、バッと後ろを振り返りオリヴァーに教えを乞う。


「ロテュス…その存在は一体…?」


オリヴァーは深く頷くと、自分の知っていることを言葉にしてアリアに聞かせる。


「えぇ…私も言い伝えでしか聞いたことがないのですが、ロテュスは守護神ではなく、破壊の神…破滅の神だそうです。我々の偉大なるグレイズ様との戦いに破れた者。…ずっと封印されていたはずなのに…これはどういうことなのか…」


困ったように、言葉を詰まらせるオリヴァーにワイアットが窘めるようにして言葉を掛ける。


「オリヴァーよ。国王陛下のお言葉を忘れたか。そして、オスカー様とイーサン様の願いを…」


それに、オリヴァーは項垂れるようにして頷く。


「世界は闇に堕ちた。ロテュスの力で…だから、我々はそれに立ち向かうことを選んだ…アリア、お前もそうだろう?これから、共に光を取り戻す為、力を分け合ってやって行かねばならぬのだ」


ワイアットの言葉は、とても重かった。

アリアは、服の袖できゅっと涙を拭うと、紅色の髪を風になびかせながら叫んだ。


「許さないロテュス!!私の最大の敵!!お前だけは絶対に!!」


そう言うと、コナーを引き連れて、前を向いた。


みなはその時気付くことが出来なかった。
ルークが短剣をアリアに向けた時、その背後でウーゴがにやりと冷笑を浮かべていたことを…。


そして、ルークが消えたことに、面白くない表情を浮かべたことも…。

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