【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
「アシューダ、アシューダ…アリアの友よ…今一時だけ……ほんの一時だけ……」
コナーが聖水を手にして、数分のこと。
こぽこぽとしていた聖水の瓶が、静かに揺れた。
見ると、琥珀色をしていた筈の聖水が、虹色に様々と色を変えていた。
そして、その中に以前見掛けた水の精霊アシューダが、映る…。
天に響くような声が広がっていった。
『……我に、祈りを捧げる者は誰だ……』
「オレは、コナー…アリアと契を交した者。アリアの力となる証を持った者…」
皆は固唾を飲んでその光景を見守った。
アシューダは何かを考えるかのように沈黙する。
『…それが誠ならば、契の印を見せよ』
「印…?」
『そうだ…印。互いの心の呼応を見せてみろ…コナー』
そう告げられると、コナーはにっこり微笑んでアリアの方を振り返った。
その瞳には、何かを決意した色が浮かんでいる。