【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
『くくく…そうか、そなたが……。いいだろう…我はそなたに今から力を託す…存分に使うがいい』
アシューダは、瓶をぱりんっ!と割ってから、その銀色に輝くリュートへと聖水を浴びせた。
その飛沫が、皆を加護するように跳ねていく。
「じゃあ…オレの方の準備はいいとして。ねぇ、とにかく忌々しいね…そろそろ出てきたら?」
ぐらん
それの言葉が合図と言わんばかりに、世界がまたも反転する。
アリア達は、自分の身体を支えるだけで精一杯だった。
その中で、コナーは変わらずしゃららん、と腰元の鎖を鳴らす。
しん、と静まり返る世界。
全てが凍ったかのようにも思えた。
けれど次の瞬間、耳障りな笑い声がして来る。
それは、一行の後ろ側から……。