【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
そして…。
ぐんぐんとグレイスが動くと、そこから闇が削げていく。
空はいつの間にか、瞳に滲む程の明るさを持って、その全貌を明らかにしていった。
一行は、待ち望んでいた光を前に、言い様のない想いを胸に抱く。
アリアは、目の前で起こっていることが、未だ信じられなかった。
そこで、ちくんちくんと痛む胸の音に気付く。
「コナー…」
こんな風な事態になっても尚、自分には祈ることしか出来ない。
こんな時にこそ、彼を…コナーを守りたいと思うのに…。
「アリア…ここは、皆で事の行く末を見守ることにしよう。我々ではなんとも歯が立たん」
「そうですね…コナーがグレイスだったなんて信じられませんが、彼はどうやら、私達の仲間のようですし…」
そんなワイアットやオリヴァーの言葉が、遠くの方で響く。
それは、分かってる。
けれど…でも…今は…。