【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
「アリア!」
「アリア?!」
「アリア様!!」
それぞれの声が耳を掠めていく。
アリアは自分が二人の神の元へと吸い寄せられるようにして、シィースラインを手にたんっと地を蹴り出したことに、気付かなかった。
そう、ロテュスに嘲笑われるまで。
「ぐはははっ!アリアよ!お前がここへやって来たとしても、我を止めることは出来ぬぞ!バカな手出しを考えす、大人しく雑魚達の元へと戻るがいい!お前の息の根はこのグレイスを砕いてから、止めてやるわ!!」
そう言うと、ロテュスはアリアへと鈍色の閃光を1つ、2つと投げ付ける。
「アリア!!!」
その光がアリアにぶつかる寸前、皆が刹那の間だけ瞳を瞑った。
あんな攻撃を受けては、一堪りもない。
誰もが傷付いたアリアを想像した。
けれど、皆が瞳を開けると、そこには半ば信じ難い光景が巻き起こっている。