【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
「そうはさせない!コナー…グレイスには私がついている。ロテュス!お前なんかに彼は渡さない!!」
アリアは傷一つ付いていなかった。
そればかりか、彼女の美しい髪が風に鋭くなびき、グレイスと同じように強靭なオーラを放っていた。
アリアはロテュスにそう叫ぶと、眩い朱色の光を手に目にも止まらぬ勢いでグレイスに近付く。
そして、シィースラインをグレイスへとかざした。
その瞬間。
パァァァァァッ
瞳を開けていられない程の輝きで全てが飲み込まれる。
そこにいた全ての者の瞳を眩ませた。
再び視界が開けるとグレイスの体には、重厚な甲冑が身に付けられていて、その手にはフィガロワッハがぎゅっと握られていた。
アリアは祈るようにして、印を結んだ。
「アルゥ・ラプ・ライザー…ケーナーズ…」
その声を聞くと、グレイスはアリアに向けてにこりと微笑んでから強く頷いた。
「そう、キミが…ね」