【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
アリアは、そっと微笑むと、力強くロテュスの方を向き直し、こう叫ぶ。
「さぁ、時を経て、私の手でフィガロワッハ、そしてグレイスは完全に覚醒めた。ロテュス、お前の好きにはさせない!滅びの道へと向かいなさい!」
アリアの朱色の瞳が、ロテュスを見据える。
そこに、迷いや弱さは微塵もなかった。
けれど、ロテュスは怖気づくこともせずに、アリアへと笑い掛けた。
「くくくっ。アリア…そうか、そのペンダント…シィースラインこそがグレイスの…フィガロワッハの鞘であったか!!それならば、アリアの力にも納得がいく。けれど…負けぬ。我が負けるはずはないわ!!!」
ひゅんっ
ひゅんっ
じりじりと灼け付く光の塊を、幾つか放り投げロテュスは、戦闘の体勢を作り上げる。
アリアは、グレイスに銀色のリュートを受け取ると、またシィースラインをそこにかざし、今度はそれを聖水の恩恵を受けた盾へと変えてしまった。
「キミがいてくれて、よかった。アリア…」
グレイスは、また微笑んでいきり立っているロテュスに視線を定めた。