【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
ロテュスの攻撃は、殆ど赤子のようなものだった。
それだけ、グレイスの力は強大である。
ザンッ
ザンッ
ザンッ
フィガロワッハの、切れ味は最高に軽快なリズムを保って、確実にロテュスへ向かっていく。
気付けば、ロテュスは既にほぼ半分以上の皮膚を溶かされ、息をするのもままならない程だった。
けれど、それでもロテュスは崩れることはない。
自身の怨念だけで佇んでいるに過ぎないはずなのに…。
「ねぇ?…もう、観念しちゃいなよ?」
「ま、けぬっ!っっがぁぁぁぁぁっ」
殆ど言葉にならない唸り声で叫んで、ロテュスはグレイスへと駆け出した。
「仕方ないね…これでおしまいだよ」
「グレイ、スーーーーーー!!!!!」