【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~

その瞳には今にも涙が溢れんばかりで、ゆらゆらと輝いていた。
コナーは、そんなアリアにくすりと笑い掛けると、すとんと抱き締めた腕から離し、自分の前に立たせる。
そして、その朱色の瞳を覗き込み、凛とした声でこう言った。


「さぁ、この世の悪は根絶し、世界に光は舞い戻ったよ。アリア…いや…イザベラ…キミは胸を張って、王国へと還るんだ」

「コナー…貴方は?」

「オレ?…そうだね…オレも、キミと行くよ。交した約束は一生違えることはないからね」

「…ありがとう」


イザベラ…彼女は一国の王女として、またその名を語り明るさを取り戻した世界を歩み出した。

その右手で、温かなコナーの手を取りながら。
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