【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
「イザベラ様!」
「イザベラさまー!」
国に戻ると、民達が涙を零しイザベラや勇者達の帰りを待っていた。
その顔は皆、覇気を取り戻している。
イザベラ達はその顔を見て、心底安堵していた。
「あぁ、帰ってきたのね……」
イザベラは、アリア…旅人としての顔から、王女としての品格のある顔立ちに変わり、民達の様子を見ては弾けるような笑みを浮かべる。
「そうだね…。漸く居心地のいい世界が戻って来た…」
コナーは感慨深い声でそう呟くと、繋いでいた手にきゅうっと力を込めた。
そのまま一行は城へと向かい入れられる。
そこには、イーサンとオスカーが待っていた。
「イザベラ様。お帰りなさいませ」
「今日この日を、心待ちにしておりました」
イーサンもオスカーも恭しく頭を下げる。
イザベラは、小さく首を振り、二人へと駆け寄った。