【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~


そこへワイアットとオリヴァー…そしてジャックとレヴィがそれぞれに咳払いをして、二人の世界を壊す。


「感動的な場面で、大変申し訳無いのだが…私はもう行かねばならない…ジネヴラを取り戻す為に…」

「私は、私の国の民に幸福を知らせに…」

「俺は、今よりも広い世界へと飛び立つ為に…」

「オレは、仲間へ勇気を届ける為に…」


そういうと、4人はイザベラの元へ跪く。


「イザベラ女王…貴女の幸福を心よりお祈り致します…」

「みんな……ありがとう…」


イザベラは4人それぞれの髪に触れ、天の加護があらんことを、と小さく呟いた。
そこにぽぅっと温かな光が浮かぶ。
彼等は、その光を胸にその先を歩んで行こうと、そう心に決めた。


と、ジャックが、グレイスの肩をぽん、と叩いて耳打ちをする。


「グレイス…女王を泣かすような真似はするなよ?」

「大丈夫だよ。それは約束する」


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