【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
「オスカーよ、例のものを」
「御意」
マシューは、オスカーにそう命ずると、金色に輝く宝石が、沢山散りばめられた箱を持ってこさせる。
「では、オスカー…」
そして、オスカーに目をやり説明を促した。
「イザベラ様。これは、王女が成人すると共に代々伝えられる【シィースライン】というペンダントです。
このペンダントには様々な願いと祈りが込められており、これを所持した者は世界の為に光を見付けなければなりません。
イザベラ様…貴女はもう18歳になられる。立派な女性です。ですので、これを只今から…国王の下、正式に貴女に継承致します…。
一刻の猶予もありません。ですから、貴女に拒否権はないのです」
凛とした、部屋に響くオスカーの声。
イーサンはその言葉を受け、シィースラインをマシューへと手渡した。
マシューに渡ったシィースラインは、直ぐ様イザベラの首元に掛けられる。
そして、マシューはイザベラの額に静かに口付けをした。
イザベラは、オスカーの声に息を飲み、ペンダントの重みに身を固くする。