【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
「…こんな、無知な私でもいいのですか?」
不安は胸の中に滲みのように広がってゆく。
だが、そこでマシューが落ち着いた声でイザベラに声を掛けた。
「お前は良くやってくれているよ。それは父である私が証明する」
「お父様…」
「何も案ずることは無い。オスカーが募った5人の勇者達が必ずやお前を護ってくれるだろう…イザベラ…」
そう言ってマシューは起き上がろうとする。
けれど、その身体は余力が残っておらず、すぐにまた床に臥せってしまう。
「お父様!」
「……もう、私の命の灯火は消え掛かっている。イザベラよ、旅立つのだ。そして、そのお前の力で世界にまた平和を呼び戻せ…そして、再び光を…」
マシューは、その弱々しい様とは裏腹に、声高らかにイザベラそう言い放った。