【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
何も心の準備も出来ないまま、イザベラは部屋に戻って、休む間もなくウーゴに支度を委ねる。
「イザベラ様、どうぞご心配なさらずにいて下さいませ。ウーゴもイザベラ様と共に戦います」
「ウーゴ…」
ウーゴは、イザベラの従事の中でも一番年上で、最も長い付き合いであり、生まれついた頃から傍に居てくれたイザベラにとっては実の母のような、姉のような存在だった。
「ウーゴ…」
もう一度彼女の名を静かに呼ぶ。
ウーゴはそっとイザベラの肩に手を置いた。
その手に自分の手を重ねる。
今にも泣き崩れそうになる身を奮い立たせ、イザベラは朱色の衣装を身に纏い、しゃらん、と鳴った胸元のシィースラインをキツく握り締めた。
「…何時までも子供のままではいられないのね…分かったわ…私は戦い立ち向かう。
この闇に潜む、悪夢の様な存在に。そして、我が国にもう一度光を取り戻してみせる!」
その言葉に、ウーゴは黙って頷いた。
そして、旅人となる為、彼女はイザベラの名を一時的に捨てる事を決意した。
「今宵より私の名はアリア…この地を占い未来を切り開く者となる」
そうキッパリと言い切った彼女に、先程までの迷いはない。
纏った朱色の衣装よりも深紅に染まった瞳は、先を見据えていた。
果てしなく続く、闇の中へと…。
そこへさざなみなように聞こえるあの歌声…。
「イザベラ様、どうぞご心配なさらずにいて下さいませ。ウーゴもイザベラ様と共に戦います」
「ウーゴ…」
ウーゴは、イザベラの従事の中でも一番年上で、最も長い付き合いであり、生まれついた頃から傍に居てくれたイザベラにとっては実の母のような、姉のような存在だった。
「ウーゴ…」
もう一度彼女の名を静かに呼ぶ。
ウーゴはそっとイザベラの肩に手を置いた。
その手に自分の手を重ねる。
今にも泣き崩れそうになる身を奮い立たせ、イザベラは朱色の衣装を身に纏い、しゃらん、と鳴った胸元のシィースラインをキツく握り締めた。
「…何時までも子供のままではいられないのね…分かったわ…私は戦い立ち向かう。
この闇に潜む、悪夢の様な存在に。そして、我が国にもう一度光を取り戻してみせる!」
その言葉に、ウーゴは黙って頷いた。
そして、旅人となる為、彼女はイザベラの名を一時的に捨てる事を決意した。
「今宵より私の名はアリア…この地を占い未来を切り開く者となる」
そうキッパリと言い切った彼女に、先程までの迷いはない。
纏った朱色の衣装よりも深紅に染まった瞳は、先を見据えていた。
果てしなく続く、闇の中へと…。
そこへさざなみなように聞こえるあの歌声…。