【完】聖剣伝説~愛を紡ぎ出すもの~
ふぁさっふぁさっ


そこへ、一羽の白い毛並みのフクロウが、静かに舞い降りてくる。
そのフクロウは、ワイアットの周りを２、３回くるくると飛び回ると、そのまま地面に足を付けた。

すると、見る見る内に、その姿は美しい女性へと変わっていく。


『ワイアット様…調べて参りましたわ』

「ジネヴラ…いつもすまないな」


柔らかな、心を和ますような声でその女性はワイアットに話し掛ける。
ワイアットは、そう言ってそのジネヴラと呼んだフクロウ…いや、彼女のブロンドの髪を撫でた。


『ワイアット様の願いは、私の願い…何時でも仰せのままに…』

「ありがとう…それで…どうなった…？」

『…此処は、魔王ペレスヒルの城の儀礼の間に近い場所…あそこに見える魔女達は、今まさにサバドの最中なのです』

「そうか…分かった…ジネヴラ、ありがとう」

『いいえ…構いませんわ…でも…ワイアット様…？』

「ん…？」

『…いえ…お気をつけて…』

「あぁ…ジネヴラ…」


彼女に慈しむような、視線を向けるワイアット。
もう一度愛しそうにその髪を撫でると、それが合図と言わんばかりに、彼女はサッとフクロウの姿に戻り、寄り添うようにワイアットの肩に止まった。


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